水耕栽培の主成分は水です
水の質が良くなれば
野菜も良い感じになると思います
水って放置すると藻が生えます
藻が生えても野菜は育ちます
でも藻はいないほうが都合がいい
ならば毎日水を替えればいい
でも面倒くさくってできないいい
RADWIMPSの歌詞かよ
今日も素人水耕栽培やっていきます

実験装置
水耕栽培は、肥料を溶かした水を根から直接吸わせて育てる栽培方法です。
必然的に、植物の根っこが水に浸かりっぱなしになります。
植物は葉だけでなく根でも呼吸をしています。
土に埋まっている根は土の隙間にある酸素を吸い、水に浸かっている根は水中に溶けている酸素を吸って呼吸をします。
※下記サイトを参照しました
(http://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1130)
でも、水中に溶けている酸素は循環しづらく、根のまわりの酸素はすぐ薄くなってしまうんだそう。
水耕栽培をする人たちは、根の一部が空気に触れるように工夫していたり、水にエアレーション(金魚を飼うときのぶくぶくするやつ)していたりしますが、あれはその対策だったんですね。
私は去年、野ざらし遮光なし水浸し藻まみれの根っこをケアしないまま多くの野菜を育てていました。
オクラなんてヘドロ状になった藻と藻の死骸の混合物が根っこに付着して2Lペットボトル内でギッチギチになっていたけど何本も収穫できました。
根の酸欠くらいじゃ植物はへこたれないんだな…などと思いつつ…
でも、水はきれいで酸素が循環していた方がきっといいよね?

かつて魚を飼っていたときに
使っていた外掛け式フィルター
ここで、いかにして酸素は水に溶けるのかに注目したいと思います。
魚を飼うときに調べたのですが、水の中にチューブを沈めて空気をブクブク噴き出すあれは、空気を水に吹き込んで溶かすためではなく、水中で空気をブクブクさせることによって水面を波打たせ空中の空気を取り込みやすくするために使われる道具です。
吹き込むことによってもわずかには溶けるみたいですが。
水面が揺れる=水面の面積が広がる=空中から水中へ空気が溶けやすくなる
って仕組みらしいです。細かいことはわからん。
かつて熱帯魚を飼っていた水槽では、外掛け式ろ過フィルターといって水槽の底から水を吸い上げてろ過し再び上から流すような機械を使っていました。
水中に空気を取り入れるためには水面が揺れればいいので、内側からブクブクするのでも外側からバチャバチャ流すのでもOKなのです。
2年くらい飼ってたけど魚が酸欠になったことはなかったかな。
ちなみにその時のお魚は亡くなった際に植木鉢に埋めたので、今栽培に使っている土には………

去年の台風でやられてしまった
多肉植物のとものりも入ってます
水あるところに植物プランクトンありってことわざがあります(ない)
植物と名のつくものはミクロの世界からメートルの世界まで、水と太陽光を養分に際限なく増えます。
水耕栽培なんて上から下まで植物まみれ(藻)
上だけでいいのに…
じゃあ微小な藻はどんなところなら繁茂しないかというと、完全に滅菌されて密封された水か、光の届かない水か、常に動いている水です。
去年ググったとき深海で生きていけるやつがいるって見たけど
つまり、つまりですよ
アオコの発生を抑えるにはペットボトルの水の部分を暗くして、なんらかの方法で流れを作ればいいってこと???
金魚鉢のブクブクは、空気を水中に取り込むと同時に、水の流れをつくりだしてアオコの発生を抑えていたんですね。

ってかなんでそんなにアオコが悪者なん?
去年の私は、アオコが水耕栽培に与える影響についてあまりわかっていませんでした。
見た目がきたね〜くらいじゃないの?と。
でも、この記事の前半に書いた根の呼吸のことと、1年に渡る栽培の経験をふまえると、なんとなく仕組みが見えてきます。
アオコ発生
↓
野菜の根もアオコも酸素つかう
※アオコは日中は光合成で酸素出すけど夜間は呼吸で酸素つかう
↓
水中の酸素足りなくなる
↓
根が呼吸できない
アオコが酸欠、あるいは寿命で死ぬ
↓
死骸がバクテリアに分解されるとき酸素つかわれる
↓
水中の酸素足りなくなる
↓
根が呼吸できない
アオコが野菜の根に付く
↓
根の呼吸が物理的に阻害される
↓
根が呼吸できない
野菜の根が出す排出物にアオコの死骸と排出物が加わるつまり大量のゴミが出る
↓
水中に分解しきれない有機物があふれる
↓
水面に油膜(タンパク質のかたまり)が張る
↓
水面にフタされて空中から水中に酸素取り込めなくなる
↓
水中の酸素足りなくなる
↓
根が呼吸できない
こういうことですかね。たぶんね。
あと水温が上がるとそれだけで水中の酸素減るから夏やばいんだよね。
わかってきたわペットボトルの中で何が起こっていたのか
っっっていうかぁ!これまとめながらあたし思ったんですけどぉ!
アオコ予防のためにペットボトルをアルミホイルで覆って遮光するってのはこの界隈ではよく知られた方法だと思うんですけど、きっちりアルミホイル巻いたところでどうせ時間の問題でアオコ生えるんですよね。
ペットボトル+アルミホイルの素人工作だと野菜の根元やペットボトルの底面からどうしても光入るんです。
室内でフィルター使って水を循環させてる蓋つき水槽ですらゆっくり藻は生えますからあいつら生命力半端ないです。
んで、アルミホイルで覆った暗いペットボトルの中でゆっくり繁殖したアオコがどうなるかというと
光合成できないからずっと普通に呼吸して酸素消費するだけの存在になる
…よね?
それか発生しても光合成できなくてすぐ死ぬよね?
今年、しっかりアルミホイルで遮光していた鉢の水があっという間に白っぽく濁って、油膜が浮き腐敗臭がするようになったので、なんか…なんかおかしいなと
遮光しているぶん確かにアオコの緑みは弱いんだけど、去年の野ざらしペットボトルのほうが、なんというか真緑なのに健全な雰囲気……藻まみれで泥くさいんだけど腐敗臭はしないっていう、そう遮光ありがフルフルなら遮光なしがリオレイア
いかん語彙力がクソ
そこで、
水耕栽培において、水を循環させる必要はあるけど、もしかして必ずしも暗くする必要はないんじゃないか?
と、考えました。
明るくても暗くてもどうせアオコが発生してしまうなら明るいほうがいいんじゃないの?と。
明るければ昼間は光合成してくれるし。
なんとここまで前置きなのでいよいよ本題に入ります

毛細管現象というものがあるじゃろ?
とりあえず水耕栽培のペットボトルの水をなんらかの方法で動かしたい。
そうすれば水に対流が生まれ、アオコ発生は抑制され、水中の酸素は確保され、根に酸素が届き、水質は健全に保たれるのではないでしょうか。
仮に水を動かせないなら、数日に1回、手動で水を取り替えて濁った環境をリセットすれば水質は保たれます。
お魚を育てる水槽と同じですね。
今回、水質を保つにあたって私がこだわりたいポイントは3つ。
・金かけたくない
・手間かけたくない
・電気使いたくない
・楽したい
・楽したい
・楽したい
なめとんのか

だってえええええええ
面倒くさいと続かないからあああ
そんなに面倒くさいならさっさとダイソーで800円のエアーポンプ買ってきてブクブクしろよ!と我ながら思いますがイヤです
それじゃ意味がないのです
だってうちの水耕栽培ペットボトルの数!!何本ある!?全部をブクブクさせたらエアーポンプと電池いくつ要るんですか??外に電化製品起きたくないし!じゃあ鉢をペットボトルじゃなくてでかいタライみたいなのにしてまとめればいいって??イヤです!!タライ買いたくない!!節約のために始めた家庭菜園に1000円も2000円もかけたくないのです!!1000円使ったらプロレベルの立派な小松菜40束くらい作らないと元取れないんですよ!!!?無理だよ!!!!ギャーギャー!!!!

そこで毛細管現象というものがあるじゃろ?(2回目)
電力を使いたくないとなると、他に使えるもの、エネルギーを発生させるものはなんだろう。
太陽光……地熱……音による振動……風力……水力……腕力……
大気圧
選ばれたのは大気圧(重力)でした。地球上のどこにでもあるフリー位置エネルギー!いえーい!
毛細管現象を利用して、継続的に水面を揺らす仕組みを作ってみたいと思います。

ペットボトルにストローが通せるくらいの
穴をあけます

事務用品「ひっつき虫」で固定して…
接着剤でもいいけど、ひっつき虫だと
後からはがせるから便利

水をしみこませた木綿の糸を通します

高低差のある台に置いて…完成!!
右の容器に水を入れておくと
糸をつたって左の容器に水が移動します
さっそくこのしょぼしょぼ原始的エアレーション装置の効果がいかなるものか確かめるため、葉大根で検証してみました。
10秒に1滴くらいのペースで水が垂れます。

〜1週間経過〜
開始4日目まではしょぼしょぼエアレーションの効果が出て透明度が明らかに違ったのに1週間たったら同じになりました。

直射日光が当たる室温35℃湿度60%無風というアオコ無双な環境にて、水の透明度がゼロになりました。
水滴たらしてない方の葉大根が枯れ始めましたがもはやこれはひとしずくふたしずくの水など関係ございません人にとっても草にとっても過酷な室内です。





モロヘイヤ


もう続きやらなくてよくね????????

〜2週間経過〜
水滴たらしてない方の葉大根が枯れ始めましたがもはやこれはひとしずくふたしずくの水など関係ございません人にとっても草にとっても過酷な室内です。
これ続ける意味ある???本当に???

〜3週間経過〜
皆さん聞いてください
写真だとわかりにくいのですが、ちょっと前までマリモみたいな不透明色だった水が一夜にしてほぼ透明になりました。
想定外の出来事に戸惑っております。
屋外でメダカを飼っているとグリーンウォーター(良質な植物プランクトンが繁殖しているメダカ飼育に適した水)が一夜にして透明になってしまうことがあるみたいですが、あれと似た現象が起こったのかもしれません。
なんらかのきっかけで水中の植物プランクトンやシアノバクテリアが全滅してしまうという、あの…

すごい生育に差があるけど
急いで結論づけないほうがよさそう
結論!
24時間しずくが垂れる程度の力では藻に勝てませんでした。完
ただ開始から4日目までは透明度に差が出ていたので、一応は藻の抑制効果があるとわかりました。
完全に静止している水よりも、少しでも動きのある水のほうが濁りにくいのは確かなようです。
写真撮っておけばよかった…
しょぼしょぼエアレーション装置をつけていない方の葉大根の生育が悪かったことに関しては、室温、水温、日差し、個体差などいろんな要因が絡んでいそうなのでもう少し涼しくなってから検証し直したいと思います。

これは袋詰めした空気に重しをして
ストローでぶくぶくしようとしている図
水にかかる大気圧を上回る
位置エネルギーをかけられれば…フンッ

ぶくぶく……実用的ではない…
そうこうしているうちに4月に種まきした夏野菜の収穫が始まりました。
こちらは播種から一度しか水換えをしていないアオコ生えまくり夏野菜たちの成果です。ご査収ください。

オクラ


うんめー!

矮性ミニトマトはもうすぐ収穫
どうして
今回わかったことを箇条書きにしてみます。
・水滴が垂れる程度の動きでも水は濁りにくくなる
・根が腐りさえしなければアオコ発生した水でもあまり問題ない
・電力は偉大
光、風、温度、対流、酸素、シアノバクテリア(アオコ)、……いろんな要素が相互に組み合わさってできる水。
野菜の水耕栽培で一番難しいのって、間引きとか水やりとかじゃなくって、野菜にとって問題ない水質を見極めて保つことなのかもなあ。
本来なら広い土壌に任せとけば自然となんとかなるものを、1リットルとかそういう規模に小分けした水だけで育てようとするのだから。
土耕栽培でも「野菜づくりは土づくりから始まる」ってよく見るし
は~難易度高〜〜
水に発生する緑色のものってシアノバクテリアの他に植物プランクトン、珪藻類、などいろいろあるらしいですが、どれが良いとか悪いとかというよりはバランスが大事みたいです。
見た目めっちゃ緑になっててエグい見た目なのに嫌なニオイのしない水もあれば、透明なのにモヤッとした腐敗臭がして数日後に油膜が浮いてくるような水もあります。
同じ野菜を同じような環境で育てていても違いが出てくるからふしぎですね。
やたら難しいシミュレーションゲームをしているみたいだ…
今後もいかに安く手間をかけずおいしい思いをするための手段を考えていきたいと思います。
それでは次回!
「うちの風呂より熱い湯で育ったモロヘイヤ」(仮)
お楽しみに☆
マジで熱中症に気を付けてください。